2010.01.23(土)@フォルツァ総曲輪透き通るような“天使の歌声”をもつ布施尚美(Vo.)と、あたたかく繊細な音色で語りかけるギターの名手・伊藤ゴロー(Gu.)によるボサノヴァ・デュオnaomi & goro。新年1発目のライブとなった富山公演終演後のインタビューでは、ブラジル音楽の本場・リオデジャネイロで録音した最新作『passagem』のレコーディングエピソードをはじめ、世界を舞台にライブ活動を行なう2人が心がけていることなどを、ライブ同様にゆっくりと流れる時間を演出するかのように和やかに語ってくれた。
●富山では久々のライブで、市内は初なんですよね? goro:はい。富山の粟巣野にあるKAKI工房では何度かライブをさせてもらったことがあるんですけど、いつも夏に来てるので…さすがに冬は寒いな、と思いました(笑)。
naomi:何となく…富山は職人さんが多い場所! ってイメージが強くて。
goro:家具屋さんとかが多いような感じはするよね。
naomi:それと! 今日降ってる雪は印象的でした…私は雪自体に馴染みが無いから、本当に珍しくて!
goro:僕は雪国出身ですから、今回来る時にも心構えと準備は万全で…雪国仕様の靴を荷物の中に入れてきました!(笑)。
●さすがです(笑)。MCでも触れていらっしゃいましたが、坂本龍一さんもピアノで参加していらっしゃる最新作の『passagem』は、リオデジャネイロでレコーディングされたんですよね? naomi:私はブラジルに行くのも初めてだったんですけど、1ヶ月くらい滞在しました。
goro:僕は、今回の下見で一度訪れてたから今回が2度目。アルバムが仕上がるまで立ち会ったので、1ヶ月半ほどいましたね。
naomi:ホテルに滞在するんじゃなくて、アパートを借りてルームシェアみたいな感じだったんですよ。
goro:アパートの中に部屋がいくつかあって、何人かが住んでる。
naomi:完全な共同生活ですね(笑)。
●ホテル生活ではなく「住む」って形の滞在だと、不自由を感じたことは無かったですか?naomi:仕事上は英語を使ってたし、普段もブラジルは英語が第二言語だから通じるし…言葉の面での苦労は無かったかな…ブロークンな英語ですけどね。プライベートでは……あんまり言えることが無いけど(笑)。
全員:アハハハハハ(笑)。
goro:借りていたアパートが、いわゆるリゾート地にあったから治安も悪くなかったし…まぁ、でも「このまま住む!」とは思いませんでした(笑)。でも、嫌ではなかったし、言葉も通じたし。それと、特別にポルトガル語を勉強したわけじゃないのに、耳にした単語が知っている曲に使われてる言葉だったりすると「あ! あの曲の!!!」って、何となく意味も分かったりして。
●naomi & goroのレコーディングをブラジルでする、っていうのは以前からあったビジョンだったんですか?goro:どうしてもブラジルに行ってレコーディングしたい! っていう気持ちは無かったんですよ。やれたら良いな…くらいの感じで(笑)。レコーディングに参加してくれるブラジルのミュージシャンに関しても、音源を送ってやり取りしつつ制作…と最初は思ってて。でも、そうやって色々と制作に関して考える中で「自分たちがブラジルに行く」っていう選択肢もあるな…ってことで、ブラジルレコーディングが実現しました。
●レコーディング中に日本との違いで印象的だったことはありますか?goro:とにかく日本よりも仕事が早い…何というか…早いには理由があるわけで(笑)。日本人は凄く細かいんですよね、ひとつの作業をするのも凄く緻密にやる。けど、あっちは…特にボサノヴァはそういう側面が強いのかもしれないけど、その場に行って、演奏して終了! みたいな部分もあって(笑)。それが日常的な感じだった。
naomi:そういうやり方も含めて、もちろん大変な部分も物凄くあるんですけど(笑)、でも、そのやり方には馴染めましたね。
●アルバムの資料に、レコーディングに参加したブラジル人アーティストからのメッセージがありましたが、大絶賛で! コミュニケーションが上手くとれてた証拠かな…と。naomi:コミュニケーションはしっかりとれていたと思います。凄くやりやすかったし…困ってると助けてくれたりアドバイスくれたり、私たちが考えなきゃいけないようなことを考えてくれたこともあったりして(笑)
goro:本当に何の問題も無かったし、凄く楽しく出来ましたよ。レコーディングが進んでいくとともに、どんどんやりやすくなったし「こうしてみよう」って意見を出してくれたり、naomiちゃんも言ってたけど助けられることも多くて…本当に有難かった(笑)。
●今日のライブは、ギター2本で演奏していただきましたが、音源だと多くの音が入ってるわけじゃないですか。ライブの時は、他にメンバーがいらっしゃる時もあれば今日のように2人だけの時もあると思いますが、アレンジなどは?goro:何も決めてないんです…決めてなさすぎなくらい(笑)。もちろん、ある程度は決めてますし、このやり方が良いのか悪いのか…って言われると答えられないけど(笑)。演る曲を決めずにする時も多いし。だから、会場に行って「セットリスト出してください」とか言われると困るときもあって(笑)。
naomi:え! 今ですか? 決めてきてないよ!!! …みたいに(笑)。
goro:ステージに出ていく2分前くらいに「じゃあ、この曲からいこうか」って感じで決めることが多いんです(笑)。
●今日は少し早めにセットリストを出していただきまして…スミマセン、と思いつつ(笑)、アタマからお客さんがゆったりと過ごしてる感じがあって、個人的にも非現実の休日感を存分に味わわせていただきました!goro:僕らの音楽だと「のんびり、ゆったり聴く」って思う人も多いと思うんですけど、海外だとピーピー指笛が鳴ってる中で演ることもあるんですよ(笑)。場所によって、聴き方も変われば会場の雰囲気も違ってて面白い。今日は音も良かったし、やりやすかったです。
naomi:場所によって遠慮がちだったり、それこそ県民性や国民性ってあると思いますけど、今日のお客さんは身構えず、のんびりと聴いてくださってる感じが凄くしたので良かった。
●日本のみならず、様々な場所でライブをなさっているお2人が、ライブをやる上で心がけてることは?goro:どんな場所であろうと、聴く人が窮屈にならなければ良いな…って常に思ってます。演奏する立場よりも聴く人の立場を尊重したいし。身構えたり、かしこまって緊張して聴く…って感じは出したくなくて。演る側も緊張しちゃう時があるけど(笑)。
naomi:今日は感じなかったけど、お客さんが緊張してる時って、ステージに出ていくとすぐに分かるし、身構えちゃってる感じがヒシヒシと伝わる。…逆もあるんでしょうけど(笑)。
●色々と訊かせていただいた最新作『passagem』を昨年の10月にリリースされて、今日は今年1発目のライブ。新年の抱負…には遅いですが(笑)、今後の活動に関しては?goro:『passagem』を昨年出しましたが…全然、プロモーションとかしてなくて(笑)。
naomi:してないですね〜(笑)。
goro:リリース後、怒涛のライブスケジュール! みたいなこともしてなかったし…「ま、いっか」…みたいに過ごしてしまってますが(笑)、ライブはどんどんやっていきたい。ライブで『passagem』の音を完璧に再現することは不可能だし…もちろん、出来ることならやってみたいですけど(笑)、まずは、アルバムの曲をライブで披露していきたい。あとは…音源も作らされ…………いや、作らなきゃいけないな、と思います(笑)。
naomi:作らなきゃいけないですね(笑)。それと、また富山に来てライブがしたいです!
Interview:ema iwata
- 2010/02/01(月) 11:11:01|
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ふわりと静かに漂った音は
“極上の休日”への片道切符
昨年4月からマンスリーで開催してきた『Oravoの音楽』10回目当日、1/23開演前。会場の窓からふと外を見ると、昼間の晴天が幻だったかのように雪が激しく降り始めていた。そんな中、会場まで足を運んでくれた多くの人々も、外の寒さで冷えた体が少しは温まってきたであろう頃、今回の公演フライヤー一文から引用するなら「雪も溶けそうな、真冬のボサノヴァ」を奏でるべくnaomi & goroがステージに登場した。
2人にとって新年1発目のライブだというこの日は、布施尚美(Vo.)と伊藤ゴロー(Gu.)2人だけの至ってシンプルな編成での演奏。しかし、1曲目「Non Stop to BRaSiL」からギター2本と声だけとは思えないほどの深さと広がりのある演奏を繰り広げ、2人だけで演っているとは思えないスキルの高さで一瞬の驚きを与えたかと思えば、その直後にはウットリと「naomi & goro」の創りだす“極上の休日”とでも表現したくなるような、ゆっくりと静かに時間が流れていく“非現実の世界”へ会場中を連れて行く。
MCでは最新アルバム『passagem』を含む24曲のレコーディングをリオデジャネイロで行なった際のエピソードを、旅の思い出を語るかのように楽しげに話す2人。その語り口調は、2人が自らの体で感じてきた出来事を真っ直ぐに伝える細かな描写だからなのか、あまりに柔らかく心地良い声のトーンが非現実の休日感をより一層煽ってくれるからなのか、訪れたこともない場所なのに、異国の街に漂う匂いや音までもが景色とともに浮かんでくるようだった。
約1時間に及ぶステージの最後は、最新アルバム『passagem』の最後に収録されている「Good Night Song」。「おやすみ またあしたね 一緒に歌おう あのうたを」…と歌う声と繊細であたたかいギターの音色は、大切な人に耳元で囁いてもらっているかのような深い安心感と優しい温度で、会場中を包み込んでいった。

その後のアンコールも含め、終始ふんわりと静かに流れた上質な音と時間。
2人のステージから感じたのは、時間に追われる人も多い日常の時間の中で体験した束の間の休日感…通常の休日ではなく、何もかも放り出して旅に出てしまったかのような、時間の流れが明らかにゆったりとしている特別な休日感覚だった。2人の最新アルバムタイトルの『passagem』は、“通過する”“切符”など色々な意味があるポルトガル語だという。その意味に重ねてみるならば、2人のライブは極上の休日への片道切符…聴き終えた後、それぞれの現実に帰っていくときには、1人1人がその場で感じた音の感覚やココロにそっと残る余韻を復路切符にして戻っていく。それゆえに、2人のライブそのものは“極上の休日への往路切符”。いわば、片道切符なのかもしれない…と、自分の中にある1枚だけの“復路切符”を握り締めるような感覚で、開演前の雪が雨へと変わっていた町を、日常に向けて少し軽やかに歩いた夜だった。
Text:ema iwata
※後日、naomi & goroさんの終演後インタビューを掲載します!お楽しみに!!
- 2010/01/26(火) 18:30:07|
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「“もっと楽しくいたい、楽しんでいたい”って
気持ちが生まれるのも音楽があってこそで、
僕の中で一番のメインは音楽なんですよね。」
おおはた雄一 富山ライブ
終演後インタビュー自身のアルバム制作のかたわら、海外ミュージシャンとの共演、映画音楽、アーティストプロデュース、楽曲提供など、多岐に渡り活躍中のおおはた雄一。全国各地を細かく回っている彼は、久々となる富山でのライブでも常に自然体でギターと絡み、少年のような茶目っ気を覗かせた。終演後のインタビューでも気取ることなく、ギターに魅了され続けている自分をそのままに見せる姿は、良い意味での初期衝動と天性の“ギター小僧”っぷりを感じさせてくれた。
天性の“ギター小僧”が見せた
“ギターとの艶ある関係”と“自然体の自分”
●富山では久々のライブだったんですよね?おおはた:ステージに出て行ったときに「待ってました!」って感じがグワッときて、凄く嬉しかった。偉そうに言うわけじゃなくて、とても素直なお客さんで、個々に感じて自分のタイミングで拍手をくれたり、盛り上がってくれたり、凄く自由な感じもしました。
●MCで「次の曲、選びづらくなった(笑)」という一言もありましたが、セットリストはその場で決めてたんですか?おおはた:今日は全くセットリストを決めずに演ったんですよ。1曲目だけ決めてて、あとはステージの上で。
●それは、会場の雰囲気に合わせて?おおはた:そうです。初めて演奏する場所だったし、ステージに立ってお客さんが入った状態で音を出してみて、どう響くのか…と。言い方悪いかもしれないけど、1曲目で慣らすというか。僕のライブって、出て行って1曲目からドーンっ! と鳴らして、みんなのノリ方も決まってて…って感じではないから。コース料理と一緒で、いきなりバーンっとメインディッシュは来ないっていうか…軽いモノから始まって、徐々に、徐々に…ね(笑)。
●ライブを観てると、おおはたさんが自分の部屋でサラッと弾き始めて、それを聴いてるような…凄くプライベートっぽい感覚になったんです。それくらい“ステージで歌う”ってことが自然な形に見えました。おおはた:できるだけ自然に演りたいってコトは、いつも思ってる。思ってやることじゃないかもしれないけど(笑)。ライブのアレンジにしても、今日演った曲のアレンジは、本当に今日この場だけのアレンジなんです! 今、もう1回同じように演って、って言われても出来ないし覚えてない(笑)。
●じゃあ、アンコールの最後の曲で急にギターを仰向けにして茶目っ気たっぷりで弾いたのも、その他の多々あった即興的な部分も…。おおはた:完全に思いつきです(笑)。だから明日、同じセットリストで演る機会があったとしても、今日のアレンジは絶対に出ないと思う。もちろん何回か演奏してると、ある程度固まってくる部分もあるけど、その時々に自分の中から出てくるモノが変わっていく分、アレンジも変化していきますね。
●即興的に演るときの表情も含め、おおはたさんがギターを弾いてる姿を観てると…言い方が失礼かもしれませんが…ギターと戯れてるというか、イチャついてるというか(笑)。「うっわ〜、見せつけられてるわぁ〜!!!」って感じた瞬間が何度かあって。おおはた:アハハハハ(笑)。いやぁ〜、でもそれは凄く嬉しいですね。僕自身、弾いてて気持ち良い瞬間っていうのがあって、そういう時ってギターも震えてるからね。
●え!? ギターが震える???あ、信じてない?(笑)。本当にあるんですよ、そういうトキ!いいポイントがあって「あ! ここか!」みたいな。そのポイントを触ると、ギターのボディがグッワ〜って鳴るんですよ!!!!! 言葉で表すの凄い難しいけど…簡単に言えば、変態です、僕(笑)。
●非常に健康的な変態ということで、よろしいかと(笑)。でも、今の言葉もやや色気がありますけど…ギターとおおはたさんの関係を観ていて、色気を感じた瞬間もあったんですよ! 艶っぽかった。おおはた:アハハ(笑)。でも、物事って凄く本能的なコトが大事な部分もあると思ってて。だから、言葉にすると変態的だけど(笑)、でも本当に「あっ! ココかっ!!!!!」って思うポイントが弾いてるとあるし、ギターが手の一部みたいに感じるときもある。だから体ごとガッっていっちゃうときもあるし。
●もしかして、おおはたさんが一風変わった姿勢で弾いたりするのって、そのポイントが関係してたり?おおはた:そう! そのポイントに体ごといっちゃうから、この姿勢だとこのポイントに辿り着ける! っていうのを知ろうとしてて。他の人から見れば変な姿勢だけど、手に特有の振動が来て気持ち良いポイントに出会えるわけですよ。…だから、やってみたものの振動が来なかったときは、ただの気持ち悪いヤツですね、僕(笑)。
●見ず知らずの人が通りすがりに演ってるわけじゃないんで、不信感は無いです(笑)。アハハハ(笑)。多分、一番上手く感情を表現できる方法が、僕はギターなんだと思うんですよ。ギターとは、家でもずっと一緒ですしね。
●だから、観てると「自然体」だと強く感じるのかもしれない。おおはたさんのライブには、ココロの中にある鉄の扉を決してこじ開けるわけじゃなく、スルッと入ってきて、その中にある個々の感情やリアルに寄り添ってくれるモノもある気がして。聴き手を自由にしてくれるし、感じる余白を与えてくれるなぁ…と。正直、私も鉄の扉の中を刺激されちゃって…ある曲でダダ泣きしましたからね(笑)。おおはた:何があったんですか?(笑)。でもね、「どんなライブが理想ですか?」って質問をされることもあるんだけど、今言ってくれたようなことが、その答えかもしれない。それぞれがそれぞれの思うように、それぞれに感じてくれる…無理して盛り上がろうとするわけでもなく、聴き手も自然体で個々が個々でいてくれる。同じ場所で同じものを見ても色んな感じ方がある、って凄く自然なことでしょ?
●そうですよね。一緒に行ったからって同じことを感じる必要は無いし。おおはた:お互いがお互いでいられるコトって大切だしね。だから、そういう感じ方、聴き方をしてもらえることって本当に嬉しい。例えば、カップルで観に来てくれて、お互い隣にいて同じモノを観てるんだけど、感じることも思うことも別々で、それでも後で同じ話題で話が出来る…そのことを、その人と話したいって思えるのは素敵なことだと思うから。
●最後に、おおはたさんにはずっと生で演奏の旅を続ける旅人で居て欲しいな、と思ったりもしまして(笑)。ですので、ライブを続けていくということと、今後の展開に関しても。おおはた:とりあえず…明日のことくらいで精一杯なんですけどね(笑)。でも、もっと自分が楽しくいたいし、もっと楽しんでいくために動いていたい。近い話では、来年1年間バンドで演ってみようかなと思ってて。それも含めて泥臭い1年になると思うし、我慢の1年になるかもしれない。
●それは目に見える結果という点で?おおはた:それもある。すぐに結果が見えることじゃないだけに、我慢しなきゃいけない部分も出てくると思う。でも、それは当たり前のことだし、1人で演るわけじゃないから1回や2回じゃ分からないことだらけだし。でも、そうやってバンドで創り上げていくってコトに初めて向き合ってみようかなって思ってます。自分が実現したいと思うことが出来るような環境って大切で…じゃあ、その環境は何なのか? って訊かれたら、それはやっぱり音楽が出来る環境で。“もっと楽しくいたい、楽しんでいたい”って気持ちが生まれるのも音楽があってこそで、僕の中で一番のメインは音楽なんですよね。それが何よりも大切なコトだから…ただね、とにかくギターを買いすぎだと思うので(笑)。
●いきなり生々しい感じになりましたね(笑)。おおはた:今、1本キープしてるのは買わない方が良いかな、と…近々の僕のコトとしては考えてます(笑)。
●新しいギターは増えたのかどうかも楽しみにしつつ(笑)、また富山でお待ちしてます!Interview:ema iwata
※4月からスタートした『Oravoの音楽』は来年も続いていきます!
どんなアーティストが登場してくれるのか!?
そして、終演後にどんな話を聞かせてくれるのか!?
どうぞ、2010年もよろしくお願い致します!
- 2009/12/28(月) 19:50:02|
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『Oravoの音楽 Vol.9 おおはた雄一 富山ライヴ』
2009.12.19(日)@フォルツァ総曲輪
降りしきる雪の夜、
個々のリアルに寄り添った音今年4月からスタートしたマンスリー企画『Oravoの音楽』。来年もシリーズは続いていくが、2009年ラストとなったこの日…富山は大雪に見舞われていた。
しかし、開演前になると、大雪に負けじと足を運んでくれたお客さんで会場が埋まり始める。全員の共通項として「この大雪の中、おおはた雄一が観たくて来た!」というコトがあるからなのか、アルコールや温かいドリンクを片手にゆったりと過ごしている開演前の会場は、良い意味で妙な一体感が感じられる空間になっていた。
スタート予定から少し遅れて、変に気取るわけでもなく、至って自然にステージに登場したおおはた雄一。ポロロンとギターを爪弾くと、スッと1曲目へ入っていく。“包まれる”、“抱きしめられる”…等、彼の音を聴いた瞬間の感情を表現する言葉はいくつもある気がするが、どれもストンと落ちない。一方的な言葉ではなく…意識的な言葉でもなく…上手く表しきれないことを百承知で書くなら“「おおはた雄一」の音の波がやってきて、演奏している彼と共に無意識のうちに、その波に乗っていた”…という回りくどい表現になってしまう。自分の体の重さや、その場にいる現実の自分を忘れてしまう分、「波」に身を任せる心地良さにハマっていく。
「今日は、ものすごい大雪の中やってきました。けど、来てくれてありがとうございます」と、至ってシンプルながら会場への気遣いを感じさせるMCを挟むと、また波がやってくる。2曲目にして、不思議な安心感と居心地の良さを感じさせる空間は、誰かの部屋に遊びに行ったような…寧ろ、おおはた雄一の部屋に招かれプライベートで演奏を聴いているかのような錯覚に陥る。それくらい、ステージの上でギターを弾いて唄うコトが彼の「素」のように思え、「自然体」以外の何者でもないように感じた。

休憩を挟む2部構成で行なわれたこの日のステージ。時折、即興で様々な曲の1フレーズを弾いてみせたり、華麗なギターテクニックを見せてきたり…と、微笑ましくなるような茶目っ気も覗かせながら、とにかく気持ち良さそうに、あくまで自然に演奏を続けていく彼。そんな姿に、観ている側も気付けば自然体になっていく。曲によってはロードムービーを観ているように感じるトキもあれば、出てくる人物像が浮かぶトキもあれば、耳に届く言葉に自分自身を重ねてしまうトキもあれば…登場してくる人や風景はトキによって変わるものの、どの“トキ”も絵が浮かぶ。
決して真実ではない絵…でも、自分の頭の中で絵を浮かばせた聴き手にとっては、その絵がそれぞれのリアル。「おおはた雄一」の音の波は、そのリアルに変幻自在に寄り添いながら寄せては返し…を繰り返し、大雪が降っていることもスッカリと忘れ去ってしまうような時間は幕を閉じた。
終演後、現実的な時間に戻りながら、ふと思った。
彼のライブを観ている間は、日常生活を上手く過ごしていくために身につけていたハズの鎧が消えていた…。
誰にでもあるコトかもしれないが、私にも人前では泣かないようにしてきた時間と出来事がある。けれど、とある曲の最中、気付くとボロボロ泣いてしまっていた…先に書いたように、体の重さや現実の自分を忘れてしまう分、変わりに痛いほどリアルな感覚で浮かび上がってきたものがあったのだ。見ないようにしていたコト、忘れようとしていたコト、本当は知っていたのに逃げていたコト…非常に個人的な感覚だと思う。けれど、浮かび上がったことは、私にとってのリアル。それによって、現実に戻ってからも素直に認められるようになったことがある…それが、自分にとっての「自然体」だと胸をはってみようと思えた。
自分のリアルに向き合おうにも日常の中では向き合いきれないコトもある…それでも生きていく時、無意識に扉を閉じてしまうことだってある。精一杯、足が攣ってしまいそうなほど背伸びしていたとしても、これが自然体だと思い込んでいたとしても、おおはた雄一のステージは、自分にとっての本当のリアルを感じさせ、押し付けがましくなく寄り添ってくれる“その時だけではないモノ”なのかもしれない…と、じんわりと残る感情と音の余韻を噛み締めながら思った。
Text:ema iwata
※後日、おおはた雄一さんの終演後インタビューを掲載します!お楽しみに!!!
- 2009/12/26(土) 15:41:27|
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「歌を唄っていく姿勢は、
スタートしたときから何も変わってなくて同じ気持ちで続けてきた…
もちろんこれからも、変わらない部分です。」
長谷川きよし 富山ライヴ
終演後インタビュー1969年に『別れのサンバ』でデビューして以来、今年でちょうど40年を迎えた長谷川きよし。昨年リリースされたアルバム『40年。まだこれがベストではない。長谷川きよし ライヴ・レコーディング。』では、そのタイトルの斬新さだけではなく進化を続ける「アーティスト・長谷川きよし」を感じさせてくれた。そのアルバムを引っさげてのツアーファイナルとして行なわれた富山公演。終演後のインタビューでは、唄い始めてから何も変わっていないという「唄うこと」への想いと周囲への心配りを忘れない人間性も溢れていた。
40年の先へ…
「生」で唄い続けるコトへの想い
●MCでもおっしゃっていましたが、富山市内でのライブは久々だったんですね。長谷川:うん、そうだね。とっても良いお客さんで…って、そんなことよりも、僕がどう思ったかよりも、お客さんがどう思ってくれたのか…が気になって(笑)。聴いてくれる人がいてこそのライブだからね。
●終演後の物販で、お客さんとお話もなさっていましたが。長谷川:CDを買っていただいた方が、一言ずつライブの感想を言ってくださって。会場にいた全員と話したわけではないから言い切れないけど、お話させていただいた方の声を聞いて、喜んでいただけたんだな…という実感が湧きました。
●かなり多くのお客さんが、その場で音源を購入なさっていて…最新作はもちろん、それ以外の作品を購入なさった方も多く目にしました。長谷川:40年も活動してると、音源も色々と出してるけど、今回はショップのフクロヤさんが凄く良いセレクトで持ってきてくれて。普通のベスト盤的なものだけじゃなくて、僕たちがかなり想いを込めて作ったアルバムも選んできてくれてたから、それも凄く嬉しかったです。
●昨年リリースなさったアルバム『40年。まだこれがベストではない。長谷川きよし ライヴ・レコーディング。』を引っさげての今回のツアー。結構長めのツアーで、今日の富山公演がツアーファイナルなんですよね! おめでとうございます!長谷川:一応ね(笑)。アルバムを久々に出したから、それを皆さんに聴いて欲しいな…どういう風にみんなは感じてくれるのかな…って考えながら回ってきました。あと、ツアーに出ると毎回思うけど、各地で色々と新たな出会いがあるから、旅は本当に楽しいなぁ…って…今回も思いました! 人との出会いはもちろんだけど、食べ物との出会いもね(笑)。色々と美味しいものに出会えて、楽しく旅を続けてこられて、最後の富山も美味しいものが沢山あって、ツアーの良い締めくくりになりそうです(笑)。
※注1●リリース後のツアーということで、アルバム収録曲の多くを生で聴かせていただいて!MCでもアルバムやタイトルに関して話していらっしゃいましたが…このタイトルが本当に…なんというか……凄く攻めたタイトルというか(笑)。長谷川:ねぇ(笑)。小西(康陽)さん
※注2が考えてくれて、後で聞いた話によると周囲の人たちは「ちょっとコレは…本人に言いづらいんじゃないか……」ってなったらしいけど(笑)。でも、当事者の僕は聞いた瞬間に一発で気に入って決めたんです。
●今日のライブを拝見させていただいても、「40年」という数字が重みだけではなくて、その先の「つづき」を感じさせてくるようなステージでした。長谷川:最近は、ライブ会場に僕のデビュー当時を見ててくださったお客さんも来てくださったり、親子で来てくださる方も増えてきてて。僕たち世代の人もどんどんライブ会場に来て欲しいなって思ってるんです。やはり、僕たち世代は、音楽をとても大事にしながら青春時代を過ごしてきた世代だと思うから、その世代が日本の今の音楽の状況を支えていかなくてはいけない。今日は、それに該当する世代の方も多くいらっしゃいましたから、今後も期待してます!
●私たち世代も負けじと足を運びます!(笑)長谷川:そういう想いがみんなに伝わっていくといいな、と思ってライブを続けてる。椎名林檎さんとコラボレーションしたんだけど、それによって、林檎さんの歌をずっと聴いてる若い人たちが、今回全国を回ってても会場に来てくださったりしたんですよ。それは本当に嬉しかった。
●では最後に…アルバムタイトルから拝借しますが「40年。まだベストではない」ということで…表現し続けてきた40年、これから先も続いていく何十年、長谷川さんにとって「音楽」とは、どういう位置づけなんでしょうか?長谷川:それはもう無くてはならないものですし、自分の好きなことを仕事にしてこれたんですよね…。歌を唄っていく姿勢は、スタートしたときから何も変わってなくて同じ気持ちで続けてきた…もちろんこれからも、変わらない部分です。とにかく聴いてくれる人たちの前で唄いたい…ずっと「ライブ」というものを一番大切に考えてきたから、これからもその考え方は続けていこうと思います。だから、声が続く限り、聴いてくださる方がいらっしゃる限り、「生で唄う」ってことは続けたい。いつまで唄えるのかな…って思うけど、ライブを続けて行くことは、僕の目標でもあります。
Interview:ema iwata
※注1:今回のインタビューは終演後の打ち上げ会場にて行なったため、目の前には「富山の美味しいモノ」がありました(笑)。
※注2:ex.ピチカート・ファイヴの小西康陽。アーティストとしてだけではなく、DJ、プロデューサーとしても活躍中。長谷川さんが昨年リリースなさったアルバム『40年。まだこれがベストではない。長谷川きよし ライヴ・レコーディング。』は小西康陽プロデュース作品。
- 2009/12/11(金) 19:17:01|
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