「きちんとした水先案内人がちゃんとパッションを持って、
真剣に何が良いのかを伝える…っていうのは、相手に届くんだよね…多分」
ビートルズ大学・学長 宮永正隆氏
終演後インタビュー 東京・新宿を中心に80回以上開催されている人気のビートルズトークイベント「ビートルズ大学」。エピソードや映像をふんだんに盛り込みながら、一般的にイメージするトークイベントとは一味違うスタイルで“ビートルズの賞味法”を熱をもって伝え続けているのが、音楽評論家であり学長の宮永正隆氏。石川県出身の宮永氏も「特別の感慨がある」と講義冒頭に口にした「ビートルズ大学 富山校」。ソールドアウトとなった講義を終えたばかりの学長が語ってくれた言葉の数々は、講義同様“熱”に満ちたものだった。
長年に渡り愛され続けるビートルズと
尽きることのないネタが“縁”を産む
●今回は初の富山での開催でしたが、終えてみて印象はいかがでしたか?宮永:お客さんから伝わる集中力が凄かったね! 素晴らしいお客さんでした。お客さんにも、色んなグラデーションがあると思うんだ。ビートルズ初心者なのか、中級ファンなのか、ベテランファンなのか…とかね。
●今回の講義でも、冒頭で質問していらっしゃいましたね。宮永:拍手をしてもらって計らせてもらいました(笑)。でも、そういうことは別にして、みんな講義に対して素晴らしい集中力で。「さぁ〜! 一言も漏らさずに聞くぞ! 楽しむぞ!」っていう気で会場中が満ち満ちてる感じがステージ上に伝わってきたから「真剣にかかっていかなきゃ!」って、僕自身、凄く燃えました!
●休憩に入るタイミングで、お客さん同士が“ビートルズ談義”で盛り上がっていらっしゃったり、講義で聞いたビートルズの歴史と映像で「泣きそうになった」という声も聞こえてきたりして。 宮永:ありがたいですね! そういうところもですけど、ビートルズっていうのは人間ドラマまで賞味させてくれるんですよ。
●元々は「ビートルズが好き」という気持ちから、現在のご活躍に繋がっている宮永さんですが、「ビートルズ大学」を始めようと思ったキッカケは?宮永:優劣の価値判断は入れたくないんだけど“一段階上のビートルズに関する鑑賞会”みたいなものをしたくて。普通に本とかライナーノーツの受け売りを伝えるだけなら、個人個人で読んでも変わりはないでしょ? 知識や情報はツールにしかすぎない。そのツールがある上で、その人なりにどう解釈するか、どう賞味しているか、あなたはどう賞味する? というトークライブがあったら聞きたいのにな、って…まず、僕が思ってたのが最初のキッカケですね。
●ビートルズを好きな自分が聞きたいと思う内容、っていうのが大前提にあったんですね。宮永:自分でも「ビートルズが好き」っていうのは知ってるわけじゃない? その自分が聞きたいと思うトークライブなんだから、相当凝ってるもんになるって思ってた(笑)。
●「ビートルズ大学」というネーミングも普通のトークイベントとは一味違うんだろうな、と想像させてきますが…今回体験させていただいて、「大学」という括りが非常に合っているな…と感じました。宮永:最初は、来てくれた人が自分の「ビートルズ度」をより上げてもらうためのイベントって部分でも「このトークイベントは大学ですよ」って意味を持たせている部分もあったけど、今は結果として本質を突いたネーミングだったなって思ってるんです。
●それはどういった点で?宮永:本来、大学って義務教育じゃないのに、もっとその分野を学びたいっていう人たちがその分野を研究してる場所でしょ? 教授にしたって、学生時代とかに「もっとこの分野を学びたい!」って研究室に残ったりして教授になっていたりする場合もあるし。 だから大学の講義って、その分野を研究してる中で本当にそれを聞きたい人が、義務でも無いのに集って聞いてる。本当に学びたい人が来てる…大学って本来はそういう場だからね(笑)。そういう意味で「ビートルズ大学」っていうのは本質突いてるなって思うんですよ。
●今回の講義は、自分が選んだ専門分野の中でも、さらに選んで決めたゼミの先生の研究室にお邪魔して、講義ほど堅苦しくない話を聞きに行ってるような感覚もあって(笑)。宮永:うん、うん(笑)。でも、そういうことなんだよね! どんなジャンルでも、きちんとした水先案内人がちゃんとパッションを持って、真剣に何が良いのかを伝える…っていうのは、相手に届くんだよね…多分。映画解説にしてもそうだろうし。それを信じて、僕も「ビートルズ大学」をやってるから。
●最後に…今回はソールドアウトということもあって、見たかったけど叶わなかった方もいらっしゃったと思うんです。ですので、今後来たいと思っている“入学希望者”の皆さんに向けても何か一言いただければ。宮永:雑誌の記事を見逃した見逃さないもそうだけど、大きく言えば全て「縁」モノだと思うんですよ。だから、来たかったけど気付いたときにはソールドアウトだった…って人がいても、それは次の機会にビートルズ大学初体験になった方が、何かの理由で良い出会いになった…とか、そう思ってあんまりクヨクヨせず(笑)。出来事の意味って、明日分かるかもしれないし、10年後に分かるかもしれないけど、何か意味はあるはずなんだよ。“ビートルズ大学との出会い”っていうのも、来てくれた人それぞれとの“縁”があってこそのもので、その意味もそれぞれにあるはず。だからこそ、次回富山で「ビートルズ大学」が出来る機会があってチケットを手に入れることが出来たら、その“縁”にワクワクしながら会場に来て講義に臨んで欲しいです。こちらも誠心誠意それに応えられるような講義をしますから!
●今回も“時間との闘い!”というくらいに、様々なお話を聞かせていただきましたが、まだまだ入門編という感じで…是非、次回も期待したいです。宮永:今年になって「ビートルズ」って一般的にもよく耳にするのは、もちろんリマスター音源の発売がキッカケではあるけれど、流行り廃りがないから何十年も消えることなくリマスターの発売に至ってるわけだしね。僕は僕で、語っても語ってもネタが尽きない…来日の話題だけ、とか一つのエピソードだけで何時間でも喋れるからね(笑)。富山は縁のある土地でもあるので、“富山校”を定期化していけたらいいですね。
Interview:ema iwata
- 2009/11/12(木) 19:26:26|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
“ちょっとのプレッシャー”を感じながらのステージを終えて
越中屋びーとるず/バッタモンズ
終演後インタビュー富山を中心に活動中のビートルズコピーバンド“越中屋びーとるず”と“バッタモンズ”の2組。富山初の開催となった今回の「ビートルズ大学」では、“実技実習”として普段とはやや違う客層…そう、自分達と同じように、ビートルズが大好きな人たちだらけの観客を前に演奏を繰り広げた。出演者として、そして会場に集まった多くの観客代表として、終演後の2組に話を訊いた。
↑越中屋びーとるず
↑バッタモンズ●今回、“実技実習”という形で「ビートルズ大学」に参加していただきましたが。越中屋びーとるず(以下、越中屋):いやぁ〜良かったですよ! 音響も素晴らしくて。会場の雰囲気もやりやすくて。出番がトップだったんですけど、やりづらさも全くありませんでした!
バッタモンズ:お客さんも満員で、富山のビートルズファンはたくさんいるんだな、って改めて感じました!
●お客さんそれぞれが、自分たちなりの楽しみ方で参加しているような雰囲気もあって。バッタモンズ:そうなんですよ! 演奏しながら、これからも頑張ってコピーバンド……いや、コスプレバンドを続けていこうと思いました(笑)。
●ビートルズのコピーバンドとして活動する中で、今回は“実技実習”という形で演奏していただきましたが、普段と違うと感じた部分は?越中屋:今回は、本当にビートルズが好きな人が集まってこられてるわけじゃないですか?
●なんといっても「ビートルズ大学」ですもんね(笑)。越中屋:その中で演るっていうのは、ちょっとプレッシャーもありました。
バッタモンズ:僕らも、実は出演することになってから、それが一番心配な部分だったというか。演奏したは良いものの「ココが違う!」「ソコがおかしい!」とか言われたらどうしよう…って(笑)。
●アハハハ(笑)。確かに! そういう点では、コピーバンド的には腹括って出るしかないステージですもんね(笑)。バッタモンズ:もうね…普段感じない緊張がありましたよ(笑)。でも、皆さんあたたかく聴いてくださったので安心しました(笑)。
越中屋:本当に(ビートルズが)好きな人だらけの前で演るっていうのは、逆にやりがいもあったし。そういう意味でも充実したステージでした。
●ご自身の出演後に、宮永学長の講義もご覧になったかと思いますが。越中屋:いやぁ〜、モノの捉え方というか、視点が衝撃的でした。私たちも、もちろんビートルズが大好きなんですけど(笑)、宮永さんの講義を聞いてると、一つのエピソードを挙げても、新たな捉え方、見方を知ることが出来て。第二部でリマスター音源の聴き比べがありましたけど、その時のお客さんへの聴かせ方も勉強になりましたね。
バッタモンズ:個人的にも面白かったですし、お客さんが熱心に聞いていらっしゃる姿も印象的だったので、また富山でやってほしいですね!
●その時には、皆さんも…。バッタモンズ:もう、いつでも、どこでも出ますよ! うちはコスプレバンドなんで…演奏的には上手じゃないし(笑)。格好だけですけど、そこんとこは…ご了承いただいて(笑)。
越中屋:僕たちも是非出たいですね。講義の中で「ビートルズ偏差値」って言葉が出てましたけど、次回があるなら、越中屋びーとるずとしての「ビートルズ偏差値」も上がるように頑張ります!(笑)。
Interview:ema iwata
※次回、いよいよ学長・宮永氏の終演後インタビューをお届けします! お楽しみに☆
- 2009/11/10(火) 19:02:31|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
『Oravoの音楽 Vol.7
ビートルズ大学 富山校〜世界同時リマスターCD発売記念講義〜』2009.10.31(土)@フォルツァ総曲輪
宮永正隆(音楽評論家・ビートルズ大学学長)/バッタモンズ/越中屋びーとるず
何かを突き詰める人間のイキザマ…
そこにあったのは“人生の賞味法”
東京・新宿を中心に、これまで80回近く開催されているビートルズ・トークライブ『ビートルズ大学』が初めて富山で開催された。
今回は“実技実習”として富山を中心に活動中のコピーバンド・バッタモンズと越中屋びーとるずも登場し、学長・宮永氏による講義は9月に発売されたリマスター盤の音源聴き比べも盛り込まれた二部制の特別版ということも相まって、チケットはソールドアウト。会場内には、ビートルズのジャケットや特大ポスターが飾られ、ドリンクコーナーでは、ビートルズが来日公演の記者会見にて飲んでいた「ジョニ黒のコーク割」も販売…と、開演前から“ビートルズ尽くしの一夜”が演出されていた。

19時、満員の開場に響くチャイム音とともに、いよいよ『ビートルズ大学 富山校』の授業が始まる。最初に登場したのは、どこかで見覚えのあるような法被を身にまとった越中屋びーとるず。まだカタめの客席に向かい「我々の演奏はじっくり聴いていただく必要は無いので一緒に唄いましょう!」と一言。すると、客席中がそれぞれにリズムをとったり、手拍子をしたり…と、それぞれが自分の楽しみ方を見つけていく。バラバラに見えながらも芯にはビートルズがある光景といった感じで、とても印象的な様だった。

続いては、お待ちかねの宮永学長による講義第1部。登場するなり、お隣の石川県出身である学長が幼い頃からの富山にまつわる思い出を語り、客席の心を掴んでいく。学長自身、「特別の感慨で向かえた」というこの日。第1部の講義は「ビートルズの歴史」をテーマに滅多に見られない映像等を使いながら、彼らが走り続けた時代を前期・中期・後期に分けて紹介していく内容だった。講義冒頭、熱狂的なファンの黄色い歓声が飛び交う映像を背に「この当時、弾きながら唄うのも画期的なら、作詞作曲を自分たちでするというのも画期的。その上、全員がカッコイイという(笑)」と学長。
尽きることの無い様々なエピソードを紹介しながら「お見せしたい、お伝えしたい…その誘惑との(時間的な)闘いなんですよ(笑)」と言いながら、来日公演時にも“自分らしさ”を大切にした彼らのエピソードを語る。その直後「ビートルズ精神とは常に自分らしくあれってコトなんじゃないかと僕は思う」と話した言葉が胸に響いた。純粋な“好き”という気持ちからここまで突き詰めていった学長と、彼らのイキザマに共通点があるように感じた瞬間でもあった。
彼らの歩みを時系列で感じることが出来た第1部の最後。感動的にすら聴こえてくる彼らの楽曲とともに流れた映像は、“今”を生きている自分としてというよりも、その時代にタイムスリップしていたかのような感覚でぐっと胸に迫ってくるモノがあった。

休憩を挟んでの3限目は、本人曰く「コスプレバンド(笑)」だというバッタモンズの実技実習。越中屋びーとるず同様、これまた、どこかのジャケットで見覚えのある衣装で颯爽とステージに現れた。「今日は、1967年あたりの曲を中心に演るのですが…この時代の曲は難しいんですよね。じゃあ、何でやるかっていえば…先に衣装を買っちゃったから。これが着たくて着たくてね(笑)」と、会場中の笑いを誘う。音だけではなく、見た目でも楽しませてくれた彼らには、演奏後に会場からアンコールがかかるほどだった。

そして、富山校最後の授業は学長宮永氏の講義第2部。ビートルズ解散からいきなり今回のリマスター音源発売に至ったわけではなく、第1部の講義内容の続きがあったから今回に至っている…と、1部同様に映像を交えながら解説を加えていく学長。またしてもタイムスリップするような感覚に陥りながら、段階を踏んで“今”にたどり着く。自宅で鳴らせば確実にご近所から苦情が出るであろう大音量でリマスター音源の聴き比べが始まれば、学長だけではなく、会場内でも目をつぶり音を逃すまい! と耳を澄ませる生徒の姿も多く目にした。音を言葉で表現するということは、非常に難しいことだと思うのだが、彼らの音に対して学長が使う「マロい」「潤んでる」「つつましやか」「曇ってた空が晴れて青空が広がる」等といった言葉の数々が、彼らの音をよりドラマチックに感じさせてきた。
今の時代におけるビートルズを思えば、一般的にはレジェンドとして捉えがちな4人の軌跡。それを当時の時代的な背景や、そこにいた様々な立ち位置の人々についても流れる映像に合わせて解説していく学長の講義スタイル。実技実習を含む約3時間に及ぶ『ビートルズ大学 富山校』は、その時代に生身の人間として生きていた“ビートルズ”という人たちに少しだけ触れられたような気がした。
講義中「僕はビートルズの賞味法を語ってるけど、(●●があるライフスタイルという点で)人生の賞味法を語ってる」と話した学長。その姿と、音だけではなく人としての魅力を再認識させられたビートルズは、何かを突き詰めながら生きているイキザマを通して、 “自分らしく”生きる“人生の賞味法”を伝え続けてくれるモノのような気がした。
text:ema iwata
※お知らせ※
ビートルズ大学学長・宮永正隆氏の終演後ミニインタビューとバッタモンズ、越中屋びーとるずびびびの終演後コメントを来週このブログにてお届けします!
こちらもお楽しみに!!!
- 2009/11/02(月) 19:20:07|
- 未分類
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0